' 沖縄・米軍基地観光ガイド
'というサブタイトルが付いているが、とてもとても、そんなに軽いものじゃない!戦後ジャパンの歪みをほぼすべて書き解いた、数年に一冊の良書!
いや、日本国憲法・日米安保~日米地位協定・昭和天皇・CIA・日テレ・司馬遼太郎・普天間・沖縄少女暴行事件・法務官僚の暴走・東大教授&評論家「舞台装置論」・・・といった、ともすれば別々に論じられがちなこの国の問題を、通底的・包括的・横串的に簡明かつしっかりと整理~解説している点において、戦後数十年に数冊というレベルの名著・名ガイドブックかもしれない。いずれにしても、昭和~平成を生きる日本人全員に読んでもらいたい本だ
(5千万冊ぐらい買ってタダで配りたい思いがしますが、そうもいかないので買ってください。笑。e-select
からじゃなくてもいいので買ってください!)。
田中宇の近著【メディアが出さない世界経済ほんとうの話
】 (とくに7章「多極化対応で内乱続く日本」)と併せ読むことで、「独立国・日本」「民主主義国家・日本」といった戦後の虚構、この国の歪(いびつ)な権力構造の謎が氷解する。
(鳩山首相はどうしてあんなことになったのか、本土と沖縄を米国に売り渡したのは昭和天皇本人だった!、日本の語り部「
司馬遼太郎 」の虚構 、日米安保と日米合同委員会の ' 絶妙な '
関係、日米同盟の実態など、驚くべき時代の事実のあれこれ。読めば納得せざるを得ない傍証付きだ)
「1952年に独立を回復したと思っていた自分の国が、実はまだ米に占領されたままだった!?」という哀しい現実が露わになり始めた現代、また、新聞もテレビも大事なことは何も伝えず、ウソばかり垂れ流すようになったこのバカバカしい時代、法務官僚が、マスコミと
' 安上がりの舞台装置である学者や知識人'
を使って冤罪づくりに血道をあげるというこのトンデモナイ時代に、矢部宏治・田中宇といった時代解説者を持つことができたのは、現代日本人の
' かろうじての幸せ ' といえるのではないだろうか。
(マスコミは、元来が報道機関などではなく、キャンペーン機関としての使命を帯びて誕生した業態。世の中の虚構がはがれて修羅場に入りつつある現在「ようやく仮面を剥いで
' 本来の仕事 '
をし始めたんだね」と褒めてやるべき!なのかも。考えてみれば、広告収入が組織維持上無視できない額に達したら、本来の報道が出来なくなるのは自明だ。その意味で、報道・ジャーナリズムは、やはりコンテンツを妥当な対価で提供するしかなかったはず)
とにかく、2000年前後から沖縄の外でも断片的に知られ始めたいろいろな問題、現代日本の根本的な問題のかずかずを横串で一気通貫的に書き解いている点が斬新・独自・秀逸。著者がすべて読み込んだであろう「戦後日本を識るための関連書籍
44冊・6ウェブサイト」の案内が付いている点も、包括的でいい。まさに、戦後の日本を理解するためのガイドブックだ。
(歴史的背景説明がテーマ別の数ページずつに分かれていて読み易いところもいい。だから一気に読んでしまう)
全体的に ' 眼から鱗 '
だが、多忙な人は、4ページの目次にある解説コメントから読むといいだろう。以下はとくに要点リストだ。超々多忙な人は、とりあえず★印から読むことをオススメ。
p.348 の「あとがき」も素晴らしいが、さすがにそれは、p.4 にある01~28
の歴史解説を読んでからでないと、なかなか理解できない。
(若い頃から、政治の重大な局面にどうして ' 内閣法制局長官 '
なんていう名の事務官僚が出てくるんだろう?? そして、その意味の解らない判断と仕切りに対して、政治家もマスコミもどうして何も云えないんだう??? と不思議な思いがしていましたが、この「あとがき」を読んで謎が解けました。内閣法制局、ウーン、名前からは想像もつきませんが、実は権力の中枢の一角だったんですね)
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